わたしは、ベロニカ。
司法国家を憂うおんなのこ。
そうなの、わたしは、小難しいことも考えたりするの。
それは、テレビを見ていて感じたの。
2つの事件についての、判決が出たと、
アナウンサーのお姉さんが言っているわ。
2つの事件とはどちらも殺人事件なの。
ひとつめの事件は性同一性障害で女性の体を手に入れた
女の人が同棲中の彼氏から、
「おまえには、もう愛情がない、あるのは情だけだ。」
といわれ、悲しくなって就寝中の彼を
牛刀でぶっ殺したの。
ふたつめの事件は、殺されたのは女の人。
交際中の男の人に別の好きな人が出来て、
邪魔になったので、山林深くに埋められたのよ。
でね、ひとつめの事件の判決は
実刑16年。
かたや、邪魔になった彼女を山林に埋めた男は
懲役2年3か月、
執行猶予3年。
その違いは、牛刀でぶっころした女の人は
「わたしが、やりました。」と認めたのに対して、
執行猶予で許された男の人は、
埋めたことは認めたものの、殺害については
最後まで黙秘を貫き通したの。
この黙秘権。
法曹界では、とても大切にされているの。
いわゆる人権というやつね。
そのおかげで、男の人は死体遺棄の罪を
問われただけなの。
殺してないのに、死体を埋める?ふつう。
なんだか、法律に守られているのか
裏切られているのか、悩める事件だったわ。
少なくとも、執行猶予の男の人は
法律を見事に利用したのね。
わたしは、ベロニカ。
黙秘権が人権として認められた権利なのだったら、
はっしーも黙秘権を使えばいいんじゃないかしら。
口を開くたびに逆鱗にふれるよか、マシだわ。
あはは。