ベネチアで修業

わたしは、ベロニカ。

今日もママは帰ってこないわ。

 

 

仕方がないわね。

おにーちゃんと暮らしていくしかないわ。

 

その頃、ママは飛行機の中でオーストリアのマダムと

はしゃいでいた。

 

機内のあまりの乾燥に、むせていた左隣の席のマダムに

クロレッツを差し出したら、いつまでも味のある日本のガムに

感動して、右隣のロシアのおじさんにも、あげたら

なんだか、盛り上がってしまったわ。

（みんな、自国語でしゃべっていたにもかかわらず通じてるみたい。）

 

そして、あっという間にスイスアルプスを飛び越えて、

マルコポーロ空港に着陸したわ。

着陸したら、そのへんのバスにのって、空港施設まで雑に連れて行かれるの。

まわりは、もう、イタリア語だらけ・・・。

 

 

空港では、スーツケースの紛失と鍵がこわされている事件が

あちらこちらで、勃発していたの。

幸いにも、ママのスーツケースは、カジノ風ベルトコンベアに乗って手元にもどったわ。

 

 

残念なことに、外は雨。

イメージしていたのと、全然違う、さびれた田舎道が続いたの。

そして、遠くにベネチア本島が、かすかに、見える・・・？

 

 

まさに、海に杭をうってできた、水の都。

車は入れず、ほとんど船、ゴンドラで移動する街。

歩いて観光するには、何百回と橋をのぼったり、降りたりと大変なの。

 

とりあえず、船に乗って本島まで渡る。

 

まさに、海にうかぶ街だわ。

 

それにしても、景色が見えないほど、

雨が降るなんて・・・・・。

 

 

お外でカフェするはずが、なんてこと。

それもこれも、わたしをお留守番させたバチがあたったのよ！

 

 

で、ここへ来て、ママは思ったの。

旅って、傘はあまり役に立たないって。

帰ったら、機能的なポンチョをさがさなくてはと。

そして、冷たい雨（２月だから・・・）は、やがて、みぞれに

さらに雪へと変わっていったわ。

ママがラッキーだったのは、頑丈なブーツをはいていたこと。

スニーカーの人は、べちゃべちゃにぬれて、凍傷になりかけなのよ！

 

ゴンドラも、休業となってしまった・・・

本当だったら、カーニバルの最中だから

サンマルコ広場には、たくさんの中世のドレスを着た人であふれるはずなのに・・・。

 

 

 

でも、ちらほらと、仮装した人が・・・

 

 

モデルの様に、いろんなポーズをとってくれるの。

もちろん、写真を撮らせてくれるわ。

 

 

 

ふふ、楽しそうね♪

それにしても、雪が激しくなってきたので

雑貨屋に飛び込んで、ビニールレインコートを買うことに。

だけど、店のおじーさんは、イタリア語しかしゃべれなくて。。。

 

当たり前か。

 

それでも、筆談と試着を繰り返して、防寒用にもなるビニールレインコートを手に入れたわ。

そして、路地を歩いたわ。

 

 

 

 

 

 

そして、お腹がすいたので、食べ物やさんへ。

でも、ここはアドリア海に浮かぶ街。

当然、魚介類おしだわ。

 

これを、無理やりチキンに変更してもらう。

ああ、情けない。

 

パスタもムール貝とエビのものを、

トマト味にしてもらう・・・

 

 

 

路地裏の安い食堂だけど、おいしいのよ。

店はいっぱい！

 

サラダをおかわりして、ジェラートをたらふく食べて

外にでたらば、ひどい天気！！

 

 

「ベネチアは色っぽい町だから、一度はいくといいよ。」

って、いったのは、誰よ！！

ぬれるし、凍えるし、こんなずぶ濡れで、いったいどんな色っぽい店に入れるのよ？！

行ってみたかった、ホテル・ダニエリ・・・

 

あまりにも、敷居がたかいわ・・・。

だからといって、このままでは凍死してしまう。

とりあえず、立ち飲みカフェで、体を温めようと！

 

まず、レジに行って、欲しいもののチケットを買って

カウンターに、差し出すの。

「ホットワインをペルファボーレ！」

って、注文したら、

「おっとわいん？」って　“H”を消されたわ。

 

おもしろいから、それから、たてつづけに

オットワインを５杯ほど、いただいたわ。満足。

 

その後、雪は吹雪になり、

道路はチェーン規制で、チェーンを積んでなかったバス運転手

マッシモのせいで、２時間、吹雪の中で待ちぼうけだったわ！

 

わたしは、ベロニカ。

これは、旅行ではないわね。

あきらかに修業よ！！