ぷりんちゃんとの思い出

わたしは、ベロニカ。

ダックスフントのおんなのこ。

今頃、ぷりんちゃんは、煙になっているのだろうか。

 

 

7月13日午後1時頃、ぷりんちゃんは、肺炎のために亡くなった。

長く患ったということではないわ。

わたしたちにしたら、いきなりの出来事。

 

 

ぷりんちゃんは15才になるダックスのおんなのこ。

わたしが、まだ子供の頃から公園で、毎日いっしょに過ごしたの。

 

 

おめめの大きなおんなのこで、とてもおとなしいタイプ。

他の犬から、噛まれたり、うーーーってうなられたりすることはあっても

自分からはぜったい、けんかを売ったりしない静かな子。

 

わたしが、背中とお尻のたてがみを逆立てて、吠えている時も

ぷりんちゃんは静かなの。

 

 

そんなぷりんちゃんだけど、じつはとーーーっても、頑固なところもあるわ。

イヤなこと、そしてムダなことは一切しないの。

要するに合理的な考え方をもっているのね。

(そう考えると自分がいかに非合理にムダなことに労力を注いでいるかを

反省してしまうわ。)

 

それからぷりんちゃんは、とてもいろんなことに

好奇心をもっているわ。頭がいいのね。

うちへ遊びに来た時も、家じゅうを探検するの。

 

お留守番させられることをムダに寂しがるより、

めずらしいものを見て回って気晴らしをするのよ。

 

 

そして、ぷりんちゃんは小さな子の面倒を見るのが好き。

若い時にはいっしょに走り回ってあげたりしてたのだとか。

(わたしが子供の頃は、変な奴が来たといった感じで遠目で見てたけど…正解だったわね)

 

 

そうそう、そんなおとなしいぷりんちゃんだから、

おやつをもらう時も、いつも一番うしろ。

 

 

いつもうしろだからって、とろいわけではないの。

おやつの配布会があると、けっこう一番に気がついているのがぷりんちゃんよ。

 

 

静かでおとなしい、それがぷりんちゃんのイメージだけど、

じつは、かなりお茶目な性格だとわたしは思うわ。

 

新しい物好きでもあるし、たとえばエレベーターもかなり気に入ってたわ。

 

 

どちらかといえば、かなり明るい性格だわ。

 

 

そして若い男の人が好き♪

 

 

なつかしいわ。

はっしーよ。

 

 

わたしの兄とも。

 

 

ちゅっ!!

 

 

ちゅーをしてからは、ぷりんちゃんは、兄から離れなくなってしまったのよ。

 

 

それから、わたしたちは日帰り旅行も一緒したわ。

旅行といっても、ぷりんちゃんをお預かりしている日に

たまたま、丹波まで行く用事があったのよ。

 

 

ぷりんちゃんは、きっとこの時

「どこに連れて行かれるん?」と思って不安だったかもしれない。

 

 

しかも、この時、わたしが車の中でチョコレートパンを食べてしまったから

ぷりんちゃんまで、つきそいで病院へいくことに・・・。

 

 

そうそう、ぷりんちゃんが、いかに好奇心が旺盛かという話になるのだけど

この日の丹波行きでは、途中でわたし水遊びをするのね。

 

だけど、ぷりんちゃんは、大の水嫌い!!

なのに、あまりにもわたしが楽しそうに水遊びしているものだから、

「そんなに、おもしろいの?」とちょっと入ってみたのよ。

 

 

結果はというと、

「水なんかに入って、何がおもしろいのか、わからないわ」ですって。

 

 

同じ犬、同じ女の子、同じ種類でも、趣味や考え方が一緒とはかぎらないのね。

だって、わたしだって、どうしてぷりんちゃんが、あんなにゆっくりごはんを

食べるのかは謎だもの。

 

 

ぷりんちゃんも、食べることは大好きなんだけど

わたしと違って、お上品なのね。

 

 

ぷりんちゃんの場合は、ほにょほにょ。わたしの場合はガツガツガツ、といった感じ。

 

 

そういえば、おしっこのそそうをすることは、一度たりともないし

しかも、ちょっとでもトイレシーツが汚れたら鼻先でつんつんして、

「新しいのに変えて」というのよ。

 

 

自分の家でおしっこのそそうをする自分がアホに感じてきたわ。

 

そうそう、ぷりんちゃんといえば、一度とてもうらやましいことがあったの。

3年位前かしら。

ぷりんちゃんはお誕生ケーキを買ってもらっていたの。

なんて愛されている子!と思ったわよ。

 

 

わたしなんて、ケーキ買ってもらったことないわ。

結局、親に愛されていないのだと、当時は落ち込んだものよ。

 

 

食事だって毎日、牛肉のトッピングや、鯛の身をほぐしたものなど

おいしいものばかりを食べていると聞いたわよ。

 

ぷりんちゃん、たくさん思い出があるね。

だけど、もう公園に行ってもぷりんちゃんはいない。

 

小さいぷりんちゃんだけど、いなくなってはじめて

こんなに存在感が大きかったのかって思う。

 

 

死ぬってどういうことだろう。

いつもは考えもしないけど、ほんとうは当たり前のことだったんだ。

 

 

なのに、いくら口でわかっているといっても、

いざ、いなくなると、たとえようのない悲しみが止まらない。

 

 

人は一生の間に、何度こんなに胸の痛い思いをするのだろう。

わかっていて、どうして犬を飼ってしまったんだろう。

 

 

ううん。

人だって同じこと。

みんな、一人で生まれて一人で死んでいく。

 

 

だから今が大事なんだ。

ぷりんちゃんがいなくなったことは、遠くの人にとっては

どこかの犬が死んだだけのこと。

 

だけどわたしたちにとっては、大きな出来事だった。

みんな一緒のおだやかな毎日がいつまでも続くって

どうして思ってたんだろう。

 

 

ぷりんちゃんに言いたいのは

ありがとう。

縁があっていっしょに過ごせた数年間。

たくさんの思い出をほんとうにありがとう。

気持ちの中のぷりんちゃんは、いつまでもいるから。

 

 

ここからは

ぷりんちゃんママが何度も同じ話を

しなくて済むように。

どんな経緯だったのかを書いておこうと思う。

 

■7月9日(月)

トリミングにいく、そしていつも通り公園へお散歩へ。

夜に息が荒くなっていたが、病的な感じではなかった。

ちょっと暑いのかなという感じ。

ぷりんちゃんのママは新しいエアコンを注文しているので

「もうちょっとで、もっと涼しくなるよ」と考えていた。

 

■7月10日(火)

朝になっても息が荒く、様子を見ていたけど、

ちょっと心配になり念のため、午後から病院へ。

先生からは「肺炎みたいなので、抗生物質を注射しましょう」と。

その後、家に帰ったが、症状はどんどん悪くなる。

結局、何も食べず、水を飲んでも吐いてしまい、一晩中はあはあと息苦しそうだった。

 

■7月11日(水)

朝、一番で病院へ。

先生は「点滴をして1日様子を見ましょう、6時頃に迎えに来てください」と。

6時まで、待って病院へ迎えに行くと、ぷりんちゃんはICUに入っていた。

酸素濃度の濃い部屋に入れられていたけど、はあはあと息苦しい様子は変わらず。

 

引き続き点滴をしてもらうため、この日は一晩、入院することに。

 

■7月12日(木)

朝一で、病院へ様子を見に。

ぷりんちゃんの状態は、あまりかわらないようだったけど

意識もしっかりしていて、持ち直してくれるようだった。

とはいえ、先生は一晩中、ぷりんちゃんの様子を見ていたというから

かなり危険な状態だったことがわかる。

 

先生は午後の診察の始まる3時より前の、2時にはまた来ていいと言ってくれる。

 

この時ほど2時までの、時間が長く感じられたことはなかった。

何も手につかない、ぷりんちゃんのママ。

 

そして、ようやく2時になったので病院へ。

ぷりんちゃんは、はあはあしているものの、しっかりした様子。

ぷりんちゃんのママはICUのガラス越しにぷりんちゃんに声をかけていた。

 

ところが3時。

ぷりんちゃんのママが見守る前で、ぷりんちゃんが力を振り絞って

わん、わん、わんと3回ほえたの。

その瞬間にけいれんが始まって、ぷりんちゃんはくずおれたわ。

 

先生は電光石火のごとく、ぷりんちゃんに酸素吸入、麻酔、そして

口から肺へとチューブを差し込んで、肺の中にたまった血と水を抜き始めた。

 

ぷりんちゃんは、血がでやすいように、ずりおちんばかりに斜めに

倒された手術台の上で、意識を失ったまま寝かされた。

 

だけど、ぷりんちゃんは、がんばって息をしていたの。

大好きなお姉ちゃんが帰ってくるのを待っていたのよ。

 

そして夜になってようやくお姉ちゃんが病院へ、そして呼び掛けてくれて

ぷりんちゃんは、元気を取り戻したのか、このまま小康状態へ

持ち直すのではないかと思われたわ。

 

■7月13日(金)

 

ぷりんちゃんのお姉ちゃんとママは朝6時半には病院へ。

先生はぷりんちゃんが寝かされている手術台のすぐ横に

毛布を敷いて寝ていたようだったわ。

 

ぷりんちゃんはというと、ほんとうにお姉ちゃんが好きなのね。

すっかり、心拍数も呼吸も安定してきていたわ。

それでもお姉ちゃんは後ろ髪をひかれる思いで出勤。

 

ぷりんちゃんのママも安定した様子に少しは安心して、

ぷりんちゃんのために注文していたエアコンが宅配便で届いたり、

生協さんがくるだのの用事があるので、一旦家へ。

 

そして11時半。病院から電話があったの。

危篤だと。

 

どうやって運転していったのか思い出せないくらい

ぷりんちゃんのママは急いで病院へ向かったわ。

 

ぷりんちゃんのママはぷりんちゃんを

励まし続けたわ。

不思議なことに、もう途絶えようかという心拍が、

ぷりんちゃんママの声を聞くと持ち直すの。

 

「お姉ちゃんとちゃんとお別れしてないでしょ。」

「ぷりん、がんばれ!おねがい」

「ぷりん、ごめんね。しんどいよね。

でもお姉ちゃんを待っててあげようよ!」

 

1時間半、ぷりんちゃんは呼びかけにがんばってくれたのだけど

いよいよ、命がつきてしまったの。

先生が静かに聴診器を当てて、首を横に振った時、

血で染まったシーツやバスタオルが

初めて現実のものと思い知らされたようだった。

 

息を引き取ったぷりんちゃんを、抱いて家へと

連れて帰ったぷりんちゃんママ。

 

きっと、本当なら元気になって一緒に帰ってこられると

思ったに違いない。

 

ぷりんちゃんに布団を敷いてやり、お線香をたいた時に

注文していたエアコンが届いた。

「ぷりんのためのエアコンだったのに・・・」

そんなことが、寂しさを増幅させるようだった。

 

亡くなった理由は、肺炎だったのだけど、

肺炎にもいろいろあるらしいことがわかった。

 

・ウィルス性

・カビ

・アレルギー

 

ぷりんちゃんはウィルス性肺炎を疑って最初は抗生物質を投与されたけど

効き目がなかったから、もしかしたらアレルギーかもと言われていたの。

いずれにせよ、本当の理由は不明。

年齢から「老衰」と受け止めるしかないといった状態。

 

ぷりんちゃんのご冥福を心よりお祈りします。

7 thoughts to “ぷりんちゃんとの思い出”

  1. ぷりんちゃん…
    小さくて可愛らしいぷりんちゃんだから
    15歳だと最後に知って少し驚きました
    一般的には長生きかもしれないけど
    そんな事は関係なく お別れは悲しいですね
    ブログの中のぷりんちゃんしか知らない
    遠くのおばちゃんの私でも 涙無くしては
    読めなかったお別れの一部始終…
    会った事もないけど それでもあいあいパークの皆様は まるで自分の地域のお友達やご近所さんのように感じてしまいます。
    ベロニカちゃんファンのみんなはきっと
    同じ気持ちで ぷりんちゃんのご冥福を
    知らない所で祈ってくれてるのじゃないかな…
    マナちゃんやぷりんちゃん、ベロニカちゃんの周りでも少しずつ世代交代があって 寂しいですね
    抱きしめられない悲しみはまだまだ大きいけれど、一生一緒。
    それは変わりありません。
    ぷりんちゃんのご冥福を心よりお祈りします。

  2. YUMI さま

    コメントをいただきありがとうございます。

    「 ぷりんちゃんのご冥福を
    知らない所で祈ってくれてるのじゃないかな…」

    とのお言葉に温かい気持ちになって、とてもうれしかったです。

    うちの家に遊びに来るのが好きだったぷりんちゃん。
    今日も、家の前でドアを見上げてくれているような気がしてなりません。
    頭で考えるのと、感情がバラバラということもあるのですね。

    いないとわかっているのに、ついぷりんちゃんの姿を
    探してしまう毎日です。

  3. 久しぶりにブログ拝見しました。
    お悔やみを申し上げます。
    プリンちゃんママのおうちで暮らして、きっと幸せな犬生だったでしょう。
    ご冥福をお祈りいたします。

  4. はっしー、驚いたでしょ。
    ぷりんちゃんをよくかわいがってくれてたもんね。
    また、あいあいパークへ遊びに来てね。

  5. プリンちゃんやプリンちゃんママとの思い出は沢山ありすぎて、病院での時間は涙なしには読めませんでした。
    小さくて可愛い女の子でした。最後は頑張ったね。
    今度、公園に行ったときには逢えないと思うと本当に悲しいです。
    離れていて何もできなかったけど、プリンちゃんのママの体も心配しています。少しでも早く心が癒されますように…ってきっと無理だよね。あんなに大切にしていたから。

  6. たっくるママ

    コメントをありがとうございます。

    タックルママに、最初に連絡した時「手が震える・・・」といっていたのが印象的でした。
    みんなにとって、悲しみ深いお別れとなってしまいましたね。

    タックルとタックルママが次に公園へ来られるのはいつくらいでしょう。
    公園は思っている以上に寂しいですよ。

  7. 皆様の温かいお言葉ありがとうございます。プリンも喜んでいると思います。15年もずっと一緒にいたから急に亡くなって寂しいです。でもいつかはお別れしなくてはならないから悲しんでいたら成仏できないから良い思い出だけ胸に、、、と思っています。プリン可愛がって下さってありがとうございました。

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