わたしはベロニカ。
いつものように、朝、目が覚めて
仕事を始めたママのそばでまどろむおんなのこ。
すると急に電話が鳴ったわ!
電話はぷりんちゃんのママからだわ。
「ベリーちゃんとこ、今日は
いかなごの解禁日よ!!
心の準備はできてる?」
やばいわ。何の心の準備もできてなかったの。
だって、いつもは3月7日あたりが解禁日だから
まだ先のことだと思っていたの。
今日はまだ2月26日よ。
ママは「どうしよう」を何回もいったけど
解禁日がきたなら、行くしかないでしょ。
去年、おいしいって言ってくれた人がいるんだから
今年もちゃんと贈らないと。
朝日ジャーナル
瀬戸内海の春を告げるイカナゴのシンコ漁について、兵庫県と大阪府の漁業者らは23日、会議を開き、今年の播磨灘と大阪湾の解禁日を26日に決めた。不漁が予測されているが、県水産課によると、成育は順調で、解禁時期は昨年より9日早く、例年並みという。
いかなごのくぎ煮を作るのに、なぜ心の準備がいるかって?
それは、ぷりんちゃんのママのレシピを完成させるには
とってもたくさんの材料がいるからよ。
もともと、うちではいかなごのくぎ煮ってみんな苦手だったの。
春の風物詩とはいえ、なんだか飽きた感じがしていて。
ところがよ、2014年にぷりんちゃんママのいかなごのくぎ煮を
食べてから、価値観が180度変わったわけ。
えっ?!いかなごのくぎ煮ってこんなにおいしかったっけ?!
これはもう、料理を超えたコンテンツだわ!!
すぐさま、ぷりんちゃんママの家へおしかけて
教えてもらったのよ。
その作り方はどこの家ともちがっていたわ。
まずは材料
しめじ・昆布・山椒・ゆず・くるみ・しょうが
すぐさま材料を買い出しに走って心の準備を整えたわ。
ほどなくしてぷりんちゃんのママが迎えにきてくれて
海に近い方のコープへと・・・
幸いにいかなごを買うことができたのでママたちは
胸をなでおろしたわ。
毎年、行列ができていかなごが手に入らないこともあるの。
だけど、価格高騰の影響かしら、今年はいかなごのくぎ煮を
作る人が減ってしまったのかも知れない。
ぷりんちゃんのママによると
「いかなごのくぎ煮を作る人は年金生活者が多いので
3万も4万もかけて、作るのは負担が大きすぎる」
ということなの。
そういえば、毎年行列をつくる人は
ほとんどがおばあさんだものね。
多い人では40kgを炊くというからそれは負担が大きいわね。
さて、コープから帰ったら、一時のヒマもないわ。
即座に調味料を計量して、材料を鍋に放り込んで
いかなごをきれいに洗って、戦争が始まるのよ。
ラッキーなことに、わたしのお昼ごはんも
つるつるのいかなご、とてもおいしかったわ!
目が合うとちょっとこわいけどね(笑)
いかなごはかきませることができないの。
鍋を振ることでまんべんなく味をいきわたらせるわけ。
この時点で家じゅうが、くぎ煮のニオイで充満。
道を歩いていると、いろんな家から同じニオイがしているわ。
ママは今年で4年目。
1年目は全身に、いかなごをかぶりながら鍋を振っていたけれど
今年はずいぶんとスマートにできるようになったわ。
くぎ煮という割に色が薄いでしょ。
これは、ゆずをたくさんいれたことによる
漂白効果なのよ。
最後に煮汁の残りでくるみをからめて、
さましたら、タッパーに分け入れるわ。
朝には「どうしよう」と思ったけれど
ほんとうに今年もできてよかったわ。
贈る分をダンボールにつめて送り状を書いて。
集荷に来た佐川さんが伝票を見て
「おっ、もういかなごですか?」って・・・
ちょっと分けてあげればよかったかしら。
わたしはベロニカ。
いかなごのくぎ煮を作る人がどんどんと少なくなって
なんだか寂しいわ。
うちではきっと来年も作るのよ。
ぷりんちゃんママに感謝ね♪