マナちゃんのベッド

わたしは、ベロニカ。

てっきり、わたしのものを　作ってくれていると

勘違いしていた　おんなのこ。

 

ママはマナちゃんのお誕生日プレゼントを

作っていたのだわ。

 

 

先日、だっこひもを買ったけれど

マナちゃんが嫌がっておさまってくれない、と

いう話と最近のお裁縫ブームを

いっしょくたにしたのね。

 

 

それは、どこにも売っていない

首からかけるベッド。

 

 

１週間かけて、少しづつ制作したの。

なぜ、そんなに時間がかかったかというと

見本がないから、妄想で作るしかなかったのよ。

 

 

ポケットをつけるかどうか、

ポケットにバイアステープをつけるかどうか、

ファスナーをつけて、マットを取り出しできるようにするかどうか、

 

 

 

 

 

少ないお裁縫知識をフル回転させて、

ついに出来上がったの！！

 

 

ファスナーをつけたのは大正解だったわ。

あまりにも、体がしずみこむようだったら、

クッションの下に段ボールなどの固いものを

入れることができるからよ。

 

 

左側の布の一番下にファスナーが

かくれているの。

 

出来上がった、マナちゃんベッドはコンパクトに

たたむこともできるのよ。

 

 

ママはわたしを、よんだわ。

 

 

わたしが、床の上においたベッドに

寝かされた後、ママがたすきを首にかけて

わたしをささえながら、立ち上がったわ。

 

「どう？べりー」

 

 

 

じゃ、手をはなすね。

 

 

重心がおしりの方に来るように

したほうがいいわね。

 

 

気持ちいいわ。

なんだか、眠たくなってきちゃったわ。

 

 

 

でも、やっぱり底に段ボール入れた方がいいかも・・・

こればっかりは、マナちゃんに聞かないとわからないわね。

 

 

でも、このホールド感はなかなかのものよ。

隠れ家大好き志向のわたしたちの、心をくすぐるものがあるわ。

それに、病院に行く時も、両手が使えるから

便利かも知れないわね。

 

何より、外が見れるところは、マナちゃんの気に入ると思うの。

だって、あの人、なんでも自分が見てないと、気が済まないもの。

 

 

もしこれが、ほんとうに役立ってくれたら

ミシンを２台も買ってしまって

毎週毎週練習した甲斐があるというものだわ。

 

でもね、ミシンを買ってよかったって、ママは

思い始めているのよ。

 

だって、フレアスカートが自分で作れたんだから！

 

 

材料はとっくに買ってあったにもかかわらず

なかなか手をつけれなかったものの、

 

 

鬼教官には、布を裁つときは、じゅうたんの上において

直接まち針を打つように教わっていたのだけど、

犬がじゃまなんだそうよ。

 

 

そうして、わからないなりに、つぎはぎしていったら、

なんとかなりそうって思ったのよ。

 

 

裏地の合体のさせかたと、ファスナーのつけ方を

鬼教官に笑われたけれど、ともかく、前に進んだことを

ほめてあげたいわ。

 

 

ママが、スカートをおばあちゃんにあげたら

とってもよろこんでくれたの。

「次は無地がいいわ」って。

ママは、あまっているミシンをおばあちゃんに渡して

「自分で作ってね。」と言ったわ。

 

わたしは、ベロニカ。

なにわともあれ、喜ぶ人がふえるのはいいことだわ。

フレアスカートの型紙と作り方をくれたおねえさん。

ありがとう！