ジプシーはお金持ちだった

わたしはベロニカ。「変わった子ね」とよく言われるおんなのこ。そうかしら?と昔のアルバムを見ていたら・・・3才の時点で変な写真を撮られていたわ。

そうか。変わっているのね。そして今日も車で送ってもらうお散歩に行くのよ。おばあちゃんに山の上の公園で下ろしてもらって、家へ向かってひたすら歩くわけ。

先日、五月山からの見晴らしがいいってママは感動していたけど、家の近場の山でもかなりいいわ。

遠くに行く必要を全く感じないわ。あ、そうか。わたしが近所のお散歩をいやがるからだった。

今日はね帰り道に柴犬のとんすけ君に会いにいくの。目的もなく歩くことを嫌うわたしのためにママが必死で考えた今日のテーマよ。

とんちゃんはわたしを見てすごく喜んでくれたわ。そんなにうれしがってくれるなら、そうね、取り巻きのひとりにしてあげてもいいわ。←上から?

何にもお土産を持って来てなかったから、わたしのお気に入りのボールを貸してあげたわ。とんちゃんはすごく喜んでくれたけど、ボールをなおしに倉庫へとはいってしまったわ。結局わたしよりボールなの?

そうそう。昔のアルバムを見ていたら、7年前の今日、この日ママはね、なんとイタリアに行ってたのよ。それ以来わたしの分離不安症が悪化したのだったわ。

イタリアではラファエロやレオナルド・ダ・ヴィンチの絵を観にバチカン美術館へ行ったというわ。でもママは絵より手荷物チェックが面白くて写真をとっていたの。

するとね、「ちっちっち」と怒られたらしい。日本ならデータ削除させられるだろうけど注意だけだったわ。

あとね。ホームレスが多かったのにも驚いたのよ。ジプシーというのだけどおじいさんもいれば、若い女の子もいた。ジプシーを撮影するのは気がとがめたけど、ジプシーを無視するシスターが印象的で思わずシャッターをきってしまったのよ。

それから犬のジプシーもいたわ。

この日、あこがれの現地のスーパーで生ハムなどを買ってホテルで食べることにしたママ。カラフルな使い捨て食器や爪楊枝ペーパーナプキンを買ったらお金が少なくなったので、質素な晩餐よ。

だけどね、同じスーパーでジプシーはじゃらじゃらとユーロをカンカンから出して高級なお肉を買っていたというわ。

わたしはベロニカ。観光地でママとジプシーをしたらおいしいお肉がいっぱい食べられるかも知れない。犬のジプシーが一番おさいせんもらってたもの。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください