さよならマンション

わたしは、ベロニカ。

今年に入ってから、忙しすぎたおんなのこ。

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まずは、おひっこしでしょ。

わたしが、どれほど邪魔にされたか!

それに、次々に思い出の物が捨てられてしまって・・・・・

 

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わたしの大嫌いなおっさんが

全部持って行ってしまったのよ。

 

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ひっこしをしながら、お仕事をするなんて

あほとしか、思えないわ。

なんとか片付いたからよかったものの。

 

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おひっこし好きのママは3年に1度は転居してたけど

ここは4年と3ケ月、よくもったほうだわ。

 

ここには、いろんな思い出があるの。

みんなの目をぬすんで、撮影中のチーズケーキを

ホールで食べたり、

 

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写真は思い出のイメージです

 

としくんのバッグから、鎮痛剤を引っ張り出してのみこんで

瞳孔が開いて、病院では今夜がやまです、っていわれたり、

 

写真は思い出のイメージです
写真は思い出のイメージです

 

まあ、でも一番の思い出は焼き鳥の串を

のんで内視鏡でとってもらったことかしら・・・。

 

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じっさいに、わたしが覚えているのは

麻酔から目が覚めたら、やたらおなかがすいていたことくらいだけど。

どうして、エリザベスカラーをつけられていたのかしら。

それは、謎のママだわ。

 

そんな思い出のマンションを出て、また心機一転やり直すの。

ことしの桜は感慨深いというものよ!

 

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お花見は、とくべつにお弁当を作ったりということはなかったの。

天神川をおばあちゃんといっしょにお散歩。

 

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そして、

その夜、ママが台所で何かを割った音がしたわ。

がしゃ、って。

 

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なにを割ったとおもう?

ママはとんでもないものを、割ったのよ。

 

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IHクッキングヒーター

世の中にはこわしていいものと、こわしたらいけないものが

あると思うの。

 

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それから、三菱電機の人が来てくれるまで、

ホットプレートで料理をするという惨めな生活を送ったわ。

 

ガラスの破片を掃除機で吸う修理のおじさん
ガラスの破片を掃除機で吸う修理のおじさん

 

といったかんじで、バタバタしてたの。

ようやく、少しは落ち着いたかしら。

 

わたしは、ベロニカ。

そろそろ、どこかへ遊びに連れて行ってほしいわ。

 

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inunoegao

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