わたしは、ベロニカ。
久しぶりにシオンちゃんのママに会ったおんなのこ。
大きな袋をかかえて、うちへ向かってくれていたの。
中身はたくさんの布やファスナー。
前にもたくさんくれたんだけど、また出てきたからって。
ザ・裏地、もありがたいわ～～。
ママはすぐにでも、お裁縫をしたかったけれど、
学校のお仕事に行かなくてはならなくて、出かけてしまったわ。
学校に行くのは、ほんとうに久しぶり。
幼稚園の陶芸教室を撮影して、
独特のカトリックな空気に包まれたわ。
のどか、というか、まったりとした感じ。
首に職員カードをぶらさげているのに
守衛さんに「誰ですか？」といわれ、
学院長には、
たっぷりといやみを言われたわ。
購買部では、一人として見覚えのある人はいなかったけれど
はっしーが紹介してくれないので、
いきなり中途半端な年賀のあいさつをするにとどまったわ。
幸い、法人部では、初めてお見かけした先方から
名刺を出してくれたので、ちゃんとあいさつができて、
遠くまで来た甲斐があったというものよ。
これで、年初めの予定があらかた終わったので、
おばあちゃんが行きたがっていた、コリアタウンの成田商店さんへ
キムチを買いに行くことに。
年末に来た時とうってかわり、閑散としていたわ。
それでも、成田商店はにぎわっていて、
TV取材を受けたコリアタウンで成田商店の部分だけが放映されたって
おにーさんは喜んでいたわ。
キムチとコチュジャンとケッパリを買って、
今日はとしくんの誕生日だから、豚肉もしいれて
サムギョプサルパーティーよ。
そして、としくんの大好物、生センマイも
忘れずに買ったわ。
ところが家に帰って気がついたの。
成田商店でコチュジャンの分の金額を払っていないことに。
おにーさん、まちがえたのね。
すぐに成田商店に電話をすると、おばさんが出て、
「ほんなら、今度もってきてや」て。
ついでに、サムギョプサルの味噌の作り方を丁寧に教えてくれたわ。
「あんな、コチュジャンにな、マルコメ味噌と
砂糖とごま油をまぜんねんで。」
生センマイの店でも、ていねいに食べ方を教えてくれたけど
じっさいに袋からだして、おどろき。
冷たい水でよく洗って、細くきざんで、
ようやく焼肉屋さんで見る形になったわ。
サムギョプサルには、にんにくが大切だと
店のおばさんは言ったわ。
そして、みんなでとしくんの３７歳の誕生日を祝ったわ。
ママからはタバコ１カートン。そして今日の料理。
おにーちゃんからは、超ヒートテックウエア。
わたしは、ベロニカ。
みんなはわたしが喜ぶと思って、生センマイを
たくさんくれたわ。
でも、どうしても食べる気になれなかったのよ。
