わたしはベロニカ。としくん、ママとでお仕事をするダックスフントのおんなのこ。え?何のお仕事かって?
この日のお仕事はパソコン12台を使える状態にすること。セットアップっていうのよ。
としくんは体調がとても不安定なの。だから家まで迎えに行って、引きずって連れてきたわ。特に「低気圧の日」は頭痛がひどくて具合が悪く、「高気圧の日」には「低気圧の日」のダメージで具合が悪いの。
としくんの具合がよくならない限り、おそろしくて営業なんてできないとママはぼやいてるわ。まあ、ママがこき使ったからとしくんの具合が悪くなったという説もあるけど。
それにしても、わたし、犬とは思えないほど忙しいわ。今日はキクイモを納品しに丹波まで行くの。そしてまた、キクイモを車に積んで帰るわ。
帰り際に農家さんは「セツブンソウ祭り」に行ってみたらと教えてくれた。なんでも清楚であまりにも可愛くて一度は見ておいた方がいい花らしい。まるでわたしのような花ね。
教えられた道を行くと「セツブンソウ祭り」ののぼりが立っていて地元の人しかいないのでは?といった雰囲気。
それでも珍しい花の群生が見られるということで、ママはやる気まんまんで眼レフを首にかけたわ。ところが・・・
さっきまであんなに晴れていたのに、みるみる雲がたちこめてつむじ風までぼうぼうと吹き始めた。太陽はもちろんのこと風はとても写真に影響するというわ。セツブンソウは1.5cmととても小さいから風に簡単にあおられるわ。
ママは願をかけるように空をにらんでいたわ。他の人もつられてみるくらい。しかし太陽がでることはなく、風がやむことはなかった。いわゆる曇天下で撮った写真はどうしても「どんより」するのね。青みが強くなるしね。
案の定、色温度があがっている。
しかーーーーーし!
うちにはフォトショップがある。ちょっとは明るみがでたようね。
わたしはベロニカ。セツブンソウが群生するエリアのすぐ裏は近所の人の墓地になっていて、きれいな花が供えられていた。その片隅に可愛がられただろう犬のお墓がそっと作ってあったわ。