西宮砲台、今となってはマンションの方が強そう

わたしはベロニカ。西宮は「御前浜公園」に降り立つダックスのおんなのこ。わざわざ来たのではないのよ。確定申告で近くまできたからちょっと寄ってみたの。

うちのおばあちゃんは、ひどい花粉症だからこの時期はあまりおでかけできないわけ。でも海ならマシだそうよ。ここ「御前浜公園」は無料でバーベキューできる数少ないスポット。

炭捨て場も用意されていて安心、休日に来た時には家族連れなどでにぎわっていて、それはもうお肉の匂いがたまらなかったものよ。もちろん誰もくれなかったわ。

「御前浜公園」 は西宮砲台でも知られているの。西宮砲台は江戸時代に外国から攻め込まれた時の防衛のために作られたもの。現場監督は勝海舟よ。京都を守るためだったというけど埋め立てが進んだ今では随分と陸地よりになったわね。

日本中の熟練工が集められ突貫工事でがんばって、それでも完成までに4年もかかったとある。だけど出来上がって試し打ちをしたら、砲台の内部が煙まみれになって結局、使い物にならなかったそうな。

その時代の職人さんたちが、砲台の前で遊ぶわたしを見たらどう思うかしら。赤いちゃんちゃんこ着て、背中でボールをピーピーと鳴らしている、そうそう耳にはリボンまでつけて。

きっと、頭のおかしな犬がいるもんだと目が離せないはずだわ。勝海舟だってあっけにとられると思う。あ、その前にダックスなんて見たことないだろうから、キツネに間違われるかも。

それよりも今の日本の風景にまずは驚くでしょうね。こんなマンション群想像もつかないし。

わたしはベロニカ。4年もかかって作った砲台が今のマンションの前ではとても小さくて弱そうに見えること。それは昔の人に見せたくないわ。

そして100年後はどんな景色になっているのかと思うとなんだか不思議な気分になってくるわ。

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