能勢クロスガーデン

わたしは、ベロニカ。

とってもグルメなおんなのこ。

あんなに　冷え込んだ朝と

同じ日だとは　思えないくらい　暑すぎるお彼岸のこの日。

 

頼んでもいないのに、ドッグランにつれてこられたの。

さすがに　ひとだらけよ。

激しい人見知りのわたしを

こんなところへつれてきて、ママは楽しいのかしら。

 

兄は言ったわ。

「べりーちゃん、ママはね、おいしいものが食べれたら

ごきげんなのよ。」

 

そう、ここのドッグランはカフェがあるの。

そして、ママが言うには

今日のパスタはゴルゴンゾーラでないと

いけないらしいわ。

 

 

どんなパスタが出てくるのか

びくびくして、待ってたんだけど

襲われることは、なかったわ。

ふ、おいしそう。

濃厚なチーズのにおいがたまらないわね。

 

家庭用にこんなお皿を使ったら、

かさばって、洗いにくくて、しょうがないのをわかっていて、

おばあちゃんと、ママは

「こんな　お皿がほしいね♪」

と、言っていた。

 

人間の会話って、重要な事ばかりだったら、成り立たないものなんだと

そんなことを感じながら、おいしそうなピザのにおいを　かいだわ。

秋って、どうして、きのこが

こんなに華やかなんでしょうねぇ。

 

ひとくちだって、もらえないのに、

感性が豊かな自分を恨めしく思うわ。

 

そして、ミンチ肉の香り。

それは、ハンバーグの登場を意味するんだわ。

 

わたしは、ベロニカ。

食べ物のことが、気になりすぎて

ドッグランでのお友達はできなかったけど、

とても、きれいな場所だったわ。