肉を守れ!

わたしはベロニカ。

電源のはいっていないこたつの中に隠れているおんなのこ。

ママがわたしを呼ぶ声が聞こえるわ。

兄もわたしを呼んでいるわ。

でもわたしは出ていかないの。

「ベリーごほうびあげるよ~」

 

だまされてはいけない。

最近、ごほうびで呼び出されてもろくなことがないし。

 

ああでも、こたつではバレバレだわ。

机の裏に隠れなきゃ。

 

 

え?

なんで隠れてるのかって?

それはお肉を守るためよ。

 

じつはね、今日おばあちゃんがステーキをひとかけらゆでてくれたの。

でね、それを食べたら、安い肉だったのかしら・・・。

奥歯にはさまってしまったわけ。

 

 

何回もそしゃくして飲み込もうととしたんだけど

どうしても取れないの。

するとママが

「取ってあげる」とかいって近づいてきたから

あわてて逃げてきたのよ。

 

わたしのお肉を奪うつもりなの。

油断できない家族だわ。

 

わたしはベロニカ。

お肉といえば、まだ2才の頃

わたしバーベキューに連れて行ってもらった。

 

きれいな清流の横でたくさんお肉を食べたわ。

あの頃は高いお肉だったのに・・・

最近は安物ばっかりだわ。

 

 

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