わたしは、ベロニカ。
釣りが終わって、旅館にもどったおんなのこ。
ママは飲み物の買い出しにでかけたわ。
もちろん、旅館の中に、自動販売機はあるんだけどね・・・。
なんだか、買ったら負け、のような気がして。
少しでも安いところでって。
クーラーボックスがいい仕事をしてくれるわ。
おばあちゃんは、というと、夕ご飯の前に温泉に入りたかったので
時間を逆算して、釣りを切り上げたの。
そして、しまむらで買ったブラウスと
ママの作ったガウチョパンツもどきに着替えたわ。
お料理がどんどん運ばれてきて、
みんなおなかがすいていたことを思い出したのよ。
地鶏会席を今日は思う存分食べようって会なんだけど、
その量がすごくって、ママはすぐに根をあげたわ。
食前酒を飲んで、ビールで乾杯。
もう、おなかが苦しくって苦しくって、叫んだわ。
「世間の人はこんなに食べれるのぉ?」
そこへ、
釜飯が炊き上がりました~と
ひとりひとりに、釜が運ばれてきたわ。
もう、米粒ひとつだって、入らないってことで
旅館の人にサランラップを借りて、おにぎりにしたわ。
としくんは、食べ物を残すのが嫌いなので
バカ正直に全部平らげて、
またしても、死に損ないになってしまったわ。
多分これは、どんなにたくさんの量を食べる人が来ても
クレームの出ない設定だと思うのね。
でも、おばあちゃんは、けろっとして、たいらげていたわ。
ガウチョパンツもどきのゴムのウエストが役にたったわね。
デザートの冷たい濃厚チーズケーキで
全員が動けなくなったわ。
動けなくなったので仕方なく、ぐだぐだとしゃべりながら
夜がふけていったの。
ママは卓球をしたかったけれど、とにかく動けないので
温泉に入りに行ったわ。
おばあちゃんとわたしは、明日にそなえて、早めに寝たのよ。
そして、あっという間に、朝になったの。
ママは、わたしに、大きめの歯ブラシをくれて
温泉に行ってしまったわ。
夕べの食事がまだ消化できていないから、
おなかをへらしてくるって、いうの。
6階にある温泉は誰もいなくて
貸切状態だわ。
展望温泉なのよ。
窓から海が見えるわ。
効能はというと、
お湯は44度と、少し高めに感じたママは
水をじゃんじゃん入れて、冷ましたわ。
やりたい放題ね。
各部屋にもユニットバスがついているのは
ありがたかったわ。
旅館って、てっきりトイレは共同だと思っていたの。
もちろん、オーシャンビュー。
そして、朝ごはんの時間になったわ。
9時まで、引き延ばしてもらったのよ。
2階の食堂で朝食をとるの。
ほんとうは犬が入ってはいけないのだけど
もう他のお客さんがいないからって、入れてもらえたわ。
ろうかでも、誰もいないから走っていいよって言ってくれたり、
かなり、犬にやさしい環境だわ。
ホームページでは、お部屋以外の場所はだっこかケージに入れてくださいと
書いてあったのを、従業員の人は知らないみたい。
どうぞどうぞって感じだもの。
満足だわ~。
で、朝食は、
やっぱり、すごい量だわぁ~
で、しらすの柳川風が、とってもおいしかったそうよ。
結局、またしても全部食べれなかったママ。
その横で、おばあちゃんは、
「すみませーん、ごはんのおかわりをください!」
と言っていたわ。
わたしは、ベロニカ。
生き残るのは食べてる人だと思うわ。
だって、熱中症にもならないもの。
そうそう、ラジウム温泉があって、海が目の前に見えて
あんなにたくさんの料理がでる旅館で宿泊料はいくらしたと思う?
ひとり、たったの1万円よ。2食付で!
おどろいたわ。