愛のお祓い

わたしは、ベロニカ。

連日のミシン騒動で、うんざりするおんなのこ。

１台目のミシンは、着払いで修理依頼。

そして２台目のミシンは、

としくんが様子を見に行ったけれど、

すでに動かなくなっていたわ。

そして、またトーカイへ。

トーカイのお店のひとは、メーカーに新品交換で

お願いしますと、力を入れてくれたわ。

そして、翌日には新品が届いたとの

連絡をくれたの。

その電話を受け取った頃、わたしたちは

おばあちゃんのお友達のところへ

いなりずしをもらいに行ってたの。

さすが、おばあちゃんの友達ね！

玄関わきの、デコレーションが独創的だわ。

おばあちゃんは、

「これは、何かの景品？」とお友達に聞いたわ。

お友達は

「・・・・・、買ってきたんだけど。」と答えたわ。

そんな、間がありながらも、

そして、とってもおいしい

いなりずしを作ってくれたのよ。

五目寿司仕立て。

他にも、お野菜や、赤しそジュース、新ショウガの炊いたものを

お土産にくれたの。

そうそう、

トーカイの人は電話で言ったの。

「今回は、いっしょに梱包を開けて、

実際に縫ってみてから、持って帰って下さいね。」

その後、ママはミシンを取りにトーカイへ行くと

お店の人はあたたかく迎えてくれたわ。

要注意人物を。

ひととおり、下糸を巻いて、上糸をはわせてって

だいたい、合格したようだけど、

なんだか、時々、下糸がからんだりしたわ。

これは、もういよいよ、何かに憑りつかれているとしか

言いようがないわ。

何回も何回もトーカイの机でミシンの練習をさせられて

解放されたあと、

ママは、また布を買ったのよ。

お店の人は、

「直線縫いほど、

練習になる作業はありませんよ。

ミシンがだだをこねないように

かわいがってあげてください。」

と、ママを見送ってくれたわ。

なんとか、一段落ついたところで、あるメールが

転送されてきたの。

件名:べりーちゃんのママへ

内容は、、とてもいいミシンで

お店の人の対応もとてもいいサイトの紹介。

こんな、手頃でよさげなミシンがあったなんて！！

しかも、メールには、こう付け加えられていたわ。

私は自分のスカートとか、

チュニックをたまに作ります。

あこがれのフレーズだわ！

やろーのステテコばかりを作っている

うちのママが哀れに

思えてきたわね。

新品のミシンをとしくんは、一旦マンションに持って帰ってきて、

念入りに調整をしてくれたわ。

そして、これ以上、ママの妖気が

ミシンを毒さないように、愛のお祓いをしたの。

わたしは、ベロニカ。

ママはミシンの事ばかりで

仕事をしていないけれど、大丈夫なのかしら。