京丹後の旅(帰路編）

わたしは、ベロニカ。

ゆうべもおばあちゃんのお布団で寝たの。

朝までぐっすりだったわ！

 

今日はもう、家に帰る日ね。

なんだか、ちょっと寂しくもあるわ。

それにしても　ママは、いったい何回お風呂にいくのかしら。

そして、行ったら長いこと・・・。

帰ってくるのをまって、やっと朝ごはんにありつけたわ。

 

窓から見える外の景色は

今日も、猛暑の予感だわ。

 

さすがに、みんな疲れ気味で　（おばあちゃん以外）

今日はもう遊ばないで、帰るってことに。

 

 

ママは

「犬に言われなくても、する。」って。

 

 

みんなで、お部屋を片付けて、

ロビーで記念撮影をしてもらったわ！

旅館の人は、最後まで丁寧に丁寧に丁寧すぎるくらい

わたしたちを見送ってくれたの。うるるんしたわ。

 

お土産のお菓子までくれて・・・。

 

それから、ママのたっての希望で

牧場のアイスクリームを食べに寄り道。

 

 

ちょっと、考えられないくらい、おいしいんだって。

牛のミルクを、いきなりアイスクリームにするのよ。

 

種類も、たのしいの。

トマト、ほうじ茶、お米・・・・

 

 

ママは　地元、【琴引きの塩】

そしておにーちゃんに【かぼちゃ】のジェラートを買ったわ！

 

おばあちゃんと、としくんは、ただのバニラ。

 

熱中症になってはダメなので

わたしにも、少しちょーだい！

 

 

 

わんこＯＫって、わけではないけれど

お店の人に聞いたら、他のお客様がいなければテラスＯＫ　　ですって！

 

森の中の、とってもおいしいアイスクリーム屋さん、すてきだったわ♪

では、帰りましょうかって、なったんだけど。

ママが騒ぎ出したの。

あれがないって！！

あれって？！

 

車の中を、探したけれど　どこにもないわ。

そして、ママは思い出した。

「旅館の冷蔵庫だ！」

 

わたしたちは、あんなに丁寧に見送ってもらった旅館にもどることに。

 

それに、はずかしい・・・。

でも、ママはラッキーだったわ！

旅館にもどって、ごめんくださいって、出てきてくれたのは板前さんだったの。

板前さんは、お部屋の冷蔵庫から、わたしのあれを見つけてくれたわ。

 

海からだんだんと遠ざかって、すっかり山道に。

さ、ゆっくり　眠りながら帰ることにするわ。

と、思った矢先、また　ママが騒ぎ始めた。

今度は何？

「つりのエサが残ったまま！くさったらひどい悪臭になる！！」

 

トランクに　どろどろのエビ。

これは、そのへんのごみ箱に捨てられる代物ではないわ。

みんな、言葉を失っているようだった。

そして、おにーちゃんは、Ｕターンして、海に戻ることにしたの。

 

なつかしい海だわ！

どろどろのエビは、まだ腐ってなかったから

お魚さんたち、よろこんだと思うわ。

 

もう、これで大丈夫。

みんなで車に乗り込んで、また市街地をぬけて・・・

すると、電話が鳴った。

 

いやな予感があたった時。

旅館からだった。

「携帯の充電器をお忘れですよ。」

 

誰？わすれたの！

わすれたのは、おにーちゃんだった。

 

おにーちゃん以外のひとは

自分じゃなかったことに、胸をなでおろしていたわ。

 

わたしは、ベロニカ。

わたしたち犬の運命は飼い主次第なの。

どんくさい飼い主は、いやだわ。

 

でも、おにーちゃんは、抜け目がないわね。

充電器を受け取りに旅館にもどって、

なんて言ったと思う？

「すみません、祖母がうっかりしてまして・・・。」だって。