わたしは、ベロニカ。
そろそろ本格的な秋ねって思うおんなのこ。
とてもきれいな栗をいただいたのよ。
一晩、水につけて、渋皮煮を作る予定なの。
なぜって？
他にもかぼちゃや、甘い柿。
まさに秋だわ～
そして、黄色くてかわいい花。
何の花かわかる？
今年もきくいもの収穫が楽しみだわ。
それにしても、本当に渋皮煮をまた作るのかしら。
鬼皮だけをむくのが、どれだけ、やっかいか。
ゆっくり時間をかけてむかないと、すぐに渋皮をやぶってしまうの。
ママは窓辺で栗の皮をむきはじめたわ。
外の風景をみながら、包丁で、皮をむくんだけど、
１こ目、しっぱい・・・２こ目、しっぱい・・・
なんて、しんきくさいのかしら。
鬼皮をむいても、まだ、かたい皮が残るから、
それも ちまちまと取りつづけること ３時間。
なんとか、形になってきたわ。
これから、あくぬき作業に入るのだけど
ここからも大変。
今年は重曹をつかわずに、昔ながらの作り方をするの。
何回もゆでては、水にさらし、すこしづつ、あくをぬいて・・・
気がつけば、一日が終わってしまったわ。
そうして、出来た渋皮煮を兄は１０分ほどで
すべて食べつくしてしまうのよ。
不毛な事と、やっかいなことが大好きなんだわ
うちのママは。
そうそう、今日は、栗むきをしたこと以外にひとつだけ
したことがあったわ。
マナちゃんのママと、動物病院に行ったのよ。
今まで、治療を尽くしてくれた先生にお礼を言いに行ったの。
先生の顔を見るなり、また泣き出したマナちゃんのママ。
でも、それ以上に泣いてくれた先生。
やさしい先生だったのね。
わたしは、ベロニカ。
ママはマナちゃんママが家でひとりでふさぎこんでしまわないように
毎日、マナちゃんの骨つぼを公園につれてきてあげて、
それも供養になるからって。
絶対、頭がおかしくなったって思わないから、と付け加えたわ。
