わたしはマナだ！

わたしは、ベロニカ。

毎日ママのお散歩につきあう、けなげなおんなのこ。

 

ママはみんなと、おしゃべりするのが、楽しいみたい。

ストレス解消になるんだって。

ストレスがたまっているようには、見えないんだけどね。

 

公園にはマナちゃんがいたわ。

 

マナちゃんは、遠くにいても、すぐにわたしを見つける。

 

 

 

 

マナちゃんにも、変わりはないようだった。

できれば、もう少し、おとなしく変わってくれてもいいんだけど・・・。

 

わたしね、ベロニカって名前にしてくれて、

ほんとうにとしくんに感謝しているの。

ママは和風の名前を考えていたから、「カナ」なんてつけられていたら

今ごろ、マナカナでユニットにされていたわ！

 

ちなみに、マナちゃんのマナはハワイの言葉で意味は

「神が持っている力」ということで、強いマナというのは

ほと んど超能力といってもよいものだったようです。だって。

そうしているまに、陽がくれて

わたしたちは束の間のすずしい風を楽しんで

おうちへ帰るはずだった。

 

なのに、マナちゃんが言い出したの。

 

 

タックルくんも、いっしょに来てくれることになったので

ちょっと、安心したわ。

 

いきなりかいっ！

 

 

マナちゃんはぜったい二重人格だわ！

 

わたしも　おやつちょうだい！

 

でもね、わたし、自分のおうちだから、ちょっと強気。

それに、マナちゃん、家の中なのに　リードつけて

変なの。

 

タックルくんは、もう、おびえているようだわ。

 

リードにつながれた、マナちゃんなんてこわくないわ。

 

 

わたしは、調子にのって

マナちゃんのバッグをごそごそしたわ。

 

だって、まさかマナちゃんが

へんなワザを使うなんて思わなかったから。

次の瞬間、

マナちゃんは、地獄の声を出したの。

 

 

 

 

わたしは、ベロニカ。

うまれてはじめてよ。腰が抜けたの！

超能力だわ。